どうも、ひばりです。
今回は国家公務員だった僕が、約束された安定を捨ててまで退職した理由を赤裸々に語っていきます。
自分で言うのもなんですが、国家公務員という職業は、人生の安定を求めたがる「日本人」という生き物にとってはかなり魅力的な職業だと思います。
かくいう私も、公務員試験の勉強をしているときは、「公務員になれたら、給料も安定するしボーナスも出る、社会的な地位も手に入れられる」と、国家公務員という職業の恩恵をモチベーションに頑張っていました。
そして晴れて採用通知が届いた際は舞い上がりました。
まるで、これからの自分の人生には何の苦難も訪れることはなくなったかのような、そんな感覚を抱いていたのを覚えています。
でも、最終的にはその安定を捨てて退職し、現在はこの記事を書いているに至ります。
その経緯を詳しく書いているので、自分の将来に漠然とした不安を抱いている方や、今の現状に違和感を抱いている方にとっては、何かしらの参考になるかと思います。
それではどうぞ。
僕が公務員になった理由

時系列を追って書いていこうと思いますので、まずは僕が公務員になろうと思ったきっかけや経緯について説明します。
辞めた理由について早く教えろよ!って方は目次から飛んでください。
高卒でも国家公務員を大卒枠で受けられることを知る
僕が国家公務員の勉強を始めたのは今から6年ほど前の、平成の終わりごろでした。
その当時僕は、地元の運送会社の経理として働いていました。ドラマや映画に出てくるほどの典型的なブラック企業というわけではないですが、地元の中小企業ということもあり、それに近いような環境で働いていました。
朝は7時半から始業で、繁忙期には帰宅が21時近くなることも。それでも給料は毎月の生活をやりくりするにはあまりにギリギリで、とても長くは続けられないなと感じていました。
そんなとき、ポストに資格スクールのチラシが入ってて、そのチラシに書いてあった公務員試験の欄を見て、高卒でも大卒枠で公務員試験を受けられること知り、隣町にあるそのスクールのマネージャーに話を聞きに行きました。
そこでいろいろ説明を受ける中で「国税専門官」という、いわゆる税務職員に興味を持った僕は、ここから猛勉強を開始します。
ちなみに、大卒枠で試験が受けられるというのは、試験の要件が年齢制限だけだからです。卒業資格は関係なく、何歳から何歳までが高卒枠、何歳以上が大卒枠といった感じ。
もちろん戦う相手は現役の大学生なので、スクール側からはもっと受かりやすい試験にしてはどうかと提案されましたが、税務職員って面白そうだなと思っていた当時の僕は聞く耳を持っていませんでした。
安定!安定!とにかく安定!
実は、先ほど説明した運送会社は5社目の転職先でした。
この時僕はまだ24歳。そうです。こいつ全く仕事が続かないんですよ。
だからこそ、そろそろ一生働いてもいいと思えるような、理想的な仕事先を探していたのです。
そんな中出会った税務職員という仕事。冒頭でも書いたけど、公務員になれば、本当に全ての悩みが解決するくらいの勢いで幻想を抱いていました。
中でも魅力的だったのは安定です。これまで何度も転職を繰り返しては安月給で働いていた僕。
この「安定」を手に入れれば、もう仕事のことで悩まなくて済む、好きなことに時間を費やせる!最高!
…。でも、ま~~あ現実はそんなに甘くない。
ここからそんな現実と向き合っていく日々が始まります。
やっぱり押し寄せる「時給労働」という壁

先に結論ですけど、最終的な理由としてはここに帰結します。
僕が税務職員になる前に抱いていた、幻想は・・・まあ、大方その通りでした。
ここは、「現実は想像とはあまりにもかけ離れていた」的な内容がくるのがお約束ですが、まあ、公務員ですから、それなりに安定は手に入れられたし、職業を言うと「すごいですね」なんて言われたりもした。親はもちろんめちゃくちゃ喜んでくれた。
じゃあ何が不満だったかって、やっぱり「時給労働」という働き方でした。
公務員もサラリーマンですから、仕事の良し悪しに関係なく、極論、ただ会社にいるだけでも給料は発生します。良くも悪くも、この働き方がなんとなく肌に合わなかったんですよね。
雇われるのを最高だと割り切れる人間に生まれたかった
これのどこが不満なの?と感じる方も多くいると思います。
考え方によっては最高ですよね。
だって仕事を頑張っている人と、適当にサボったりしてる人との給料の差はないんですから。
サボったもん勝ちみたいなところありますよね。特に今の世代は、出世したら給料に対して責任が見合わなくなるとか悟ってるじゃないですか。
実際僕も、やるべき仕事が終わって時間が余ったりなんかしたときには、割と好きな作業をやったりしてましたし。
でも、結局はその場にいなければいけないから、その場でできることしかできないわけで、できることなら帰ってゲームしたり映画観たり漫画読んだりしたいじゃないですか。
要するに、会社(国)にとっても僕にとっても、お互いにマイナスの時間帯であったことは言うまでもありません。
ただ、制度自体を批判する気は毛頭ありません。
嫌味でもなくただただ、雇用されて安定した生活が送れ、余暇には自分の趣味に充てたり友達と遊んだりするような、そんな素晴らしき「普通」に何の違和感も抱かずに幸せを感じられる人間に生まれたかっただけなんです。
人生ってままならないものですね。所詮はないものねだりなのかも。
僕は結局、労働を生活するための手段としか捉えられなかった
仕事に対する向き合い方は本当に人それぞれだと思います。
生活のためとは言え、どうせやるなら精一杯全うするという人もいれば、純粋に仕事そのものを楽しんでいる人。
はたまたその逆で、仕事はつらいけど生活のためには仕方ないから渋々やってる人。肌感覚としては、このパターンが一番多いと思います。
僕の場合は、仕事も面白いと思えば面白いものだったけど、やっぱり時給労働システムに耐えきれなかった人間です。
仕事は生活のために必要なもの!と割り切って頑張ればよかったんですけど、僕にはできませんでした。
というより、本音を言えば、わざわざ仕事に幻想を求めなくてもいいんじゃないかと思います。
どうせやるなら好きなことをってのも分かるけど、仕事は仕事でやるべきことだけやって、余暇は余暇と完全に分けるのも全然有りだと個人的には思います。
どうにかしたいと、税理士になることを決意

結果なれませんでしたけどね、はい。
安定と社会的な地位(どうでもいい)が手に入ったものの、上記の理由で入社1年後くらいには「時給労働はうんざり!税理士になろう!」と一念発起し、勉強を始めます。
とは言っても、税理士試験の受験資格というものがありまして、会計とか経済系の単位を大学でとってるか、日商簿記1級を取得している必要がありました。
2級は独学で取れたので、1級もそのノリで勉強してたら、まあ太刀打ちできない。
他の資格のことはあんまりしらないけど、簿記は2級と1級の差が他の資格に比べて段違いらしく、さっそくオンライン講座に申し込みます。
合計で7、8回くらい受けたけど、最終的にはダメでした。僕の地頭の悪さと怠惰な性格が招いた悲劇です。
自分が届く範囲でのゴールしか見えてなかった
税理士が本当にやりたいことだったのかと言われると、疑問が残ります。
というのも、税理士というのは税務職員になったからこそ出てきた選択肢であって、本当にやりたいことではなかった。というより、現状から抜け出すための唯一の選択肢だと思っていたと言った方がいい。
つまりは、自分が本当に歩みたい人生ややりたいことは見なかったことにして、今のレールの延長線上にある最善で妥協しようとしていたんですよね。
しかも、これ別に何も悪いことじゃない。むしろ褒められてもいいくらい。ていうかそれで妥協してくれればよかったのに。
でもできませんでした。やっぱり死ぬ間際に「あのときなんで辞めなかったんだろう…」って後悔したくなかったんです。
僕が公務員を辞めた一番の理由はコレ

上記で述べてきた以外にも、まだまだいろんな理由がありますが、自分の中で、やっぱりこれが一番の理由かなぁってやつがありまして、
それは、これからの30年間が予測できてしまったということです。
何言ってるか分かりませんよね。説明します。
「予定通り」をつまらないと感じてしまう
予定通りに事が運ぶというのは、一般的には素晴らしいことですよね。できることなら、立てた予定はその通りに進んでほしいものです。
でも、それをなんかつまらないと感じてしまう。一言で言うなら、根っからのギャンブラー気質なわけです。
公務員というのはよほどのことがない限りクビにはならないし、とんでもなく仕事がうまくいって給料が毎月100万円入ってくるようになるなんてこともあり得ない。
それでも、人生の大半を無難に楽しく過ごせたでしょう。
変わってると思われるかもしれませんが、あれだけ求めていた安定が、いつしか停滞を意味するようになっており、そこから抜け出さざるを得ない状況になっていたんです。
これは外部的な圧力は一切関係ありません。パワハラもなければ同僚との関係性は良好。それなりに楽しい毎日でした。
それを捨ててまで地獄の扉を開くとは、我ながら馬鹿だと思います。
今の現状に違和感を抱いている人へ
世の中には、分かりやすい煽り文句がいっぱいあります。
「今の給料で満足ですか?」
「経済的自由を手に入れたくないですか?」
「お金に使われるのではなく、支配する側になりましょう」
なるほど分かりやすいし、日々の労働で消耗している人々にとっては魅力的な誘い文句かもしれません。
でも、そう簡単にリスクは取れないし、お金=幸せというふうに簡単には表すことはできません。
「こんなはずじゃない」という悶々とした違和感。この正体は果たして何なのか。
それは多分、自分に嘘をついているということなのではないかと思います。
僕自身、安定した職業を手に入れて、何の憂いもないかのような未来を手放しました。
それは本当に安定というよりは「停滞」という方がふさわしい人生だったからです。
「最悪」と「最悪」どっちがマシか
だから、今すぐやりたくない仕事なんて辞めて、自分本位に生きてください!・・・。
なんて言うつもりは毛頭ないし、それはあまりおすすめできません。
僕の場合はいい加減タイムリミットが迫っていた感じがしたのと、公務員を続けた場合の「最悪」と、辞めた場合の「最悪」を比較検討した結果、公務員を続けた場合の最悪は味わいたくないなぁと思っただけです。
辞めた場合の最悪というのは、まあ、働き口に困って破産とかでしょうか。いや、それもマジで最悪なんですけどね。
じゃあ続けた場合の最悪はというと、さっき言ったように死ぬ間際に「なんであのとき…」と後悔するということです。
経験上、やらなかった後悔はやった後悔よりダメージでかいし、後を引く。
そんなところです。
後悔はないか?
あるに決まってますよ。
でもそれも承知した上で辞めました。同僚にも話しました。
「多分辞めた後、後悔すると思う。でも、どうしようもないんだよ」と。
だからこの後悔が一時的なものになるよう、頑張りたいとは思っています。
一度きりの人生だからとか、そんな大層なことは考えてません。そもそも人生にそこまで意味を求めてない。
でも違和感は気持ち悪い。やりたいと思っていることに、最期まで挑戦せずに終えるのが怖かっただけです。
いつかじゃなくて今やってみる
だから、心を込めて伝えたいことは、いつかやりたいなあと思っていることを今この瞬間に始めることです。
僕の場合は公務員だったからそれ以外の仕事はできなかった。だから辞めた。多分コッソリやってたとしても、またいつもの日々に戻って、違和感に蓋をしていたと思います。
辞めた理由なんて、そんなシンプルなものです。
でも、わざわざ仕事を辞めるなんてことしなくても、やりたいことはいつだって出来ます。
もし今、現状に不満を感じているのであれば、何か一つ、やってみたかったことをやってみてください。
簡単なアドバイスですが、それを繰り返している内に、ちょっとした変化があるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?公務員を辞めるなんてどうかしてる!なんで?という疑問に少しは答えられたと思っています。
このブログでは、主に生き方や副業に関する記事を書いていきたいと思っています。
これまでの人生経験から学んだことや気づきを発信していきます。
それでは。
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